ザ・マジック・アワー

 三谷幸喜の最近作をレンタルDVDで観た感想。
内容はごくありふれたようで、実は斬新で小粋な内容になっていて、随所でクスッと笑う場面がちりばめてあった。
毎回三谷作品は観ているが、その度に感心するんじゃ。ラヂオの時間から始まって、有頂天ホテルとずーっと観ているが、今回も外さなかった。
          
俳優の使い方もうまい。佐藤浩一の売れない俳優役は実に良い。もしかしたら親父さんを超えるかも知れないとさえ思う。そのマネージャーの小日向文世もうける。西田敏行のギャングのボス役もはまっていた。笑わないで笑いを誘う演技。ラストは打って変わって西田らしい演技となり、そのギャップがうけた。個人的には伊吹五郎がその堅い演技で笑いを誘っていて面白かったなあ。
とにかく妻夫木聡、深津恵里、綾瀬はるか戸田恵子寺島進といい、個性豊か。ちょい役人もいいなあ。唐沢寿明、中井喜一、鈴木京香香川照之、そして市川崑監督など真剣に笑わせる。映画の舞台となった港町の名前もうける。守加護(スカゴ)だなんて。
               
中でも一番心に残ったのが柳沢慎一佐藤浩市の会話に出てくるマジックアワーのシーン。夕暮れ時のほんの一瞬、太陽が沈みあたりが暗闇になるまでの黄金色の時間。そのマジックアワーは人生で一番輝いている時間で、もし見逃してもまた必ず次の日にやってくる時間。人生は一度きりじゃないと言っていたように思えるシーンであるんじゃな。

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